元町デート?
ブラブラと歩いていくと、やはり元町に到着。行ったことはないんだけど、うまそうな店があるんだと言われてメイン通りからちょっと横に入ると、そこだけ外国?と思うようなお洒落なお店があった。
へぇぇ~今はこういうところにくるんだ。昔はいかにも食堂っていう感じの店ばっかりで、お洒落な店といったら中華街で食べる時くらいだったのに。
と思ったら、そのお店、その日は貸し切りで入れず。
「わるいな。ちょっと他探そうぜ」
メイン通りに戻り、再びブラブラ歩くが、どこに行こうか悩んでいる彼。これが付き合っている二人なら
「いいよ。一緒ならどこだって」
なーんてことも言うんだろうけど、付き合ってないし。そんなことより、まわりには以前一緒に入ったお店がたくさんあるから、思い出がよみがえる。お金のある学生じゃなかったから、高そうなお店は外から覗いて「ちょっと入れないね、ここは」などと言ったものだ。まぁ、今なら・・ちょっとは大丈夫かな?
すると、きちんとした時計屋さんを発見。高級時計を扱うお店だ。ちょうど私は時計に凝っていて、新しい腕時計を買いたいと思っていたところなので、一緒に入ってもらったけれど、やはり高い・・ので、今度は中古時計を扱うお店に行き、一緒に好きそうな時計を物色してみる。
「お前がそんなに時計好きだとはねぇ・・」
「最近ハマってるの。でも高いしね、いつかはブレゲ欲しい」
「おぉ~いいね~ブレゲ針」
「そうそう、あの青いスチールね!芸術だよね!」
そんな会話をしながら、そうか、彼も時計は好きなんだ・・と初めて知った。普通の学生じゃブレゲもパテックもブランパンも関係ないから、知るわけもないか。知ってるつもりだけど、今は知らないことの方が多いんだろうな~と思いながら、またブラブラ歩き出す。
ななめ右前を歩く彼の姿は、以前と全然変わらない歩き方だ。なんとなく左に傾いた姿勢で、少しうつむき加減でゆっくり歩く。つい、また彼の左腕につかまりそうになったけれど、明るい商店街ではちょっと出来ない。あはは、意外と可愛いコト思うのね、私。すると急に彼が、
「俺が死んだら、この大事な時計をあげよう」
「はい??その時計?」
「これだって、結構良い時計なんだぞ」
「あぁ・・でも、いいよ。もっと良いの買うもーん」
「君にはこれをあげるから。俺だと思って大事にするように」
「やだやだ、それなら新しいの買って欲しい~」
そんな会話をしながら、また裏通りに入り、これまたお洒落な中華料理屋さんに入る。食事にありつけた喜びで会話もスムーズになり、何に対してかよくわからないけど、とにかく楽しいから乾杯をする。そして例のごとく「うまい、うまい」とホッペをおさえたり、目をとじたり、幸せな食べ方をする私たちだった。
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